黎明を迎え
走る
太陽が出る一瞬の光を浴びるために
走る
右腕のライトは私の位置を示すために点滅し
暗闇のランナーたちは
私の歩き走りと違って
対向車の光を浴びながら
対岸で
静かに逞しく
速度緩めることなく
悠々と疾走している
音のない静かな時間
まだ届かぬ太陽光の淡い有彩色の中で
自動車のヘッドライトの、
暗闇を突き抜ける無色のLED
個にかえる時間
孤にかえる時間
共有できない人間の思いに対し
それになす術もなく
背を向けるしか無い場所で
立ち尽くす
諦めと無
黎明の光は
私に何を語ってくれるのだろう
大好きな松の見事な姿
ここにやっと辿り着き
寒さで緑が枯れ色に近く変化している
松の姿を横に見ながら
ああ自然は生きている
息吹を発信し
共に生の実感を共有しようと
ここで私を待っていてくれる
世阿弥が
草木国土悉皆成仏
と語った世界
これが
地球であり
日本 大和国であり
ここ 松山の地
そしてこの 松の姿。
いつかここで泰鳳会の謡会(うたいかい)をしたい
と
20年前から思い続けてきたけれど
駐車場が迫っている松の周りを見ながら
夢に終わる前に
そろそろ実現を考えたい
すべきことは
まだまだあるし
私に残された課題も山積だ。
さあ
今日が始まる
気分一新
新しい朝日にむかって
何をする
また
喝を入れ
生き直そう
そう思いながら
やっとゴール
久しぶりのスロージョギングは
心身共に
こたえました。
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