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taihukai2004

三越座学 平忠度



前途ほど遠し

思いを雁山の夕べの雲に馳す


平家都落ち

その中で一人 忠度

一巻の彼の家集 百余首を

師である俊成に託すために

引き返した


思いを

師に伝えられた忠度は


今は西海の波の底に沈まば沈め

山野にかばねをさらさばさらせ

浮世に思いおくこと候はず

さらばお暇申して


再び馬上の人となり

西に向かい去っていく


遥かかなたから遠く

忠度の声


前途程遠し

思いを雁山の夕の雲に馳す


平家物語巻七 忠度都落

です


今回の座学では


世阿弥 忠度

の謡曲の前半を受講の方々に

解読して頂き


そのあと

平家物語巻七


を私から読ませて頂きました


平家物語は

基本 音読にて

理解して頂こうとしています

平曲の読み聞かせの観点からです


前途程遠し 


ここからは私はいつも

声が出ない

涙無くして読めない


みなさん 静かに目をプリントに落とし

それぞれの思いを

遠く馳しておられる?ご様子でした


ささなみや志賀の都は荒れにしを

昔ながらの山桜かな


俊成が勅撰和歌集 千載集に

読み人知らず

として

選んだ忠度の和歌です


朝敵の身となった上は

後白河院の手前

選者の俊成は

忠度の名前を挿入出来なかった


ここから

世阿弥は『能 忠度』を始めるのです


シテの老人が登場する


そして


「この桜の木は墓標である」と

若木の桜の下に埋められている屍が

老人の姿で

ワキの俊成の弟子であるの前に現れ

語りかける


行き暮れて木の下陰を宿とせば

花や今宵のあるじならまし


この歌を示した時

そして

シテである老人が

弔ってほしいと

ワキの僧に話した時…


ここから後半です


忠度は

後シテとしてありし日の甲冑姿で

僧の前に現れます


さあ


ここから 次回の講義ですね


まずは

平家物語巻九 忠度最期

から入りましょう


そして

世阿弥が

それを元に

私たちにそれをどう伝えようとしたか


世阿弥の目を通して

今を

この現代に通じる何かを

探っていきたいと思っています


受講生の方々は

レポートも待っています


ゆっくりと

個々人の人生観とお待ちの視野にて

それぞれの古典を

紐解いて頂きたい


そう思っています













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