三伏之会
昨日終了致しました
泰鳳会の皆様
おつかれさま
素敵な花束も
私への慰労のお心が伝わり
静かに動いて下さいましたM会長
始め
皆様に
お礼申し上げます
さて
会最後の私の独吟[雨月]
について
ブログに上げるお約束を致しましたので
解説を交え
私説を申し上げます
これは金春禅竹のものでございます。
「雨と月」
皆様はそれをどう捉えるでしょう
音と視覚 全て感覚の世界
手応えのあるのは
唯一
最後の
「木の葉を掻き集め」のみです。
しかしこれも
雨の名残
でしか無い
存在感はここには皆無です
では
稚拙な解釈を始めから
恣意的に申し上げます。
「雨にては無かりけり」
に続く言葉は
嵐のあと 空は澄み
照る月を見 そして
雨を聞け
です
冒頭の一文
「雨にては」と矛盾しています
次は
すぐ近くの岸辺から伝わってくる
打つ波の音 です
その鼓動に近い響きはどういう夢に誘われる?
仮り寝に過ぎない旅の枕辺に
夢は、
あるはずは無いのだ
夜半 砧 打つ音
賤の女の辛い仕事は
風が寒くなってきたから
「身の為はさもあらで」
自分のために?
ではない。
怨みは秋にある
「秋の怨みの小夜衣」
月を見ながら
月を仰ぎながら
「月見がてらに」
さあ砧を打とう
月光の中 砧を打つ音が遠く響く。
時雨ない夜でも
時雨は降る
木の葉の雨が私を訪れる。
思わず我が老いを思う涙は
(先程の旅 仮寝
[清経]の座学でも致しました
「よしとても旅枕 さらでも夢はよもあらじ」
我が老い に繋がります。)
我が老いを思う涙は
木の葉を纏う衣の袖におりた露 であり
そこに 宿る 月
と重なります。
更にその上に落ち重なるもみじの葉は
その色に
塵 泥が混じり合い
積もって重なり合っています。
それを掻き集め
雨が降った名残と思おう
雨 は何なのでしょうか?
どなたか
お返事頂ければ
有難いです。
では 私が独吟しました
「雨月」原文 をそのまま
写します。
軒端の松に吹き来るぞや
雨にてはなかりけり
小夜の嵐の吹き落ちて
なかなか空は住吉の
所からなる月をも見
雨をも聞けと吹く
閨の軒端の松の風
此処は住吉の
岸打つ波も程近し
仮寝の夢も如何ならん
よしとても旅枕
さらでも夢はよもあらじ
いざいざ砧打とうよ
いざいざ砧打とうよ
憂き世の業を賤の女は
風寒しとて衣打つ
身の為はさもあらで
秋の怨みの小夜衣
月見がてらに打とうよ
時雨せぬ夜も時雨する
木の葉の雨の訪れに
老いの涙もいと深き
心を染めて色々の
木の葉衣の袖の上
露をも宿す月影に
重ねて落つる紅葉葉の
色にも交じる塵泥の
積もる木の葉を掻き集め
雨の名残と思はん
以上が
原文です。
難解でしたでしょう?
少し分かりやすく…再度挑戦
《 雨は音
時雨のように冷たく落ちる木の葉の音
月の光の下
松吹く風が運ぶ枯れた木の葉の音
岸打つ波の音
それは
夢もない、果ても近い我が人生に
打ち寄せる音
秋の砧の音
憂し 寒し 秋の怨み
でもそこに
月がある
時雨れる音は
老い 枯葉 露 涙 であり
そして そこに映る月がある
掻き集めた塵や泥が交じった
色々な木の葉は
雨
人生の名残
月は
人生の残照 》
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