- taihukai2004
座学開始
何故座学をご希望されたか
お尋ね致しました
何年もお謡を習っているうちに
内容を深く知りたい
時代はどういう時代だったか知りたい
謡の中でシテがどういう思いや考えだったか 深く知りたい
と色々と思うようになったから
いうご意見
また
能は見た事があるけれど
見てもさっぱりわからない
退屈だったけれど
価値があると聞いているから
そこを分かりたい
また
古典全般に興味があり
学生時代の延長で学び直したい
などご自由に話して下さいました
まずは
それぞれの方の夢を叶えられるよう
始めて参りましょう
初回は
平家物語から入りました
盲目の琵琶法師が奏でる琵琶と共に
語りが始まる物語は
古典の難解な古語でも
原文を音読し合う事で
何となくわかる
耳慣れてくると辞書片手でなくても
ストーリーがだいたいつかめてくる
そう思ったからです
これは謡の稽古にも共通します
結果 まずまず期待通りの雰囲気でした
敦盛という少年貴公子の
容貌や出立の有様
そして
実際発した(原文からの)彼の言葉
の潔さ
これら読み解くうちに
彩りや響きを伴った光が
少しずつ一枚の紙に当てられ
最後に彷彿と敦盛の姿や景色が浮かび上がってきたのではないかと思います
また
敦盛の首を掻き切った熊谷次郎直実
彼の心理の推移を辿り
下級武士の功名心
父子愛
躊躇
混乱
悲嘆
武士の宿業と
高貴な人間性 豊かな教養を前にした敗北感
これらの心理の変化をたどりながら
人間五十年 下天のうちを比ぶれば
夢幻のごとくなり
幸若舞「敦盛」の一説に辿り着きました
いよいよ次回は
能[敦盛]の中に入っていきます
作者世阿弥が
敦盛に何を
語らせようとしたのでしょうか?
亡くなったあとの敦盛の霊魂が
登場するところから
能は始まります
次回の座学は
能の中心である謡本の中から
紐解いて参ります
お楽しみに…