何故座学をご希望されたか
お尋ね致しました
何年もお謡を習っているうちに
内容を深く知りたい
時代はどういう時代だったか知りたい
謡の中でシテがどういう思いや考えだったか 深く知りたい
と色々と思うようになったから
いうご意見
また
能は見た事があるけれど
見てもさっぱりわからない
退屈だったけれど
価値があると聞いているから
そこを分かりたい
また
古典全般に興味があり
学生時代の延長で学び直したい
などご自由に話して下さいました
まずは
それぞれの方の夢を叶えられるよう
始めて参りましょう
初回は
平家物語から入りました
盲目の琵琶法師が奏でる琵琶と共に
語りが始まる物語は
古典の難解な古語でも
原文を音読し合う事で
何となくわかる
耳慣れてくると辞書片手でなくても
ストーリーがだいたいつかめてくる
そう思ったからです
これは謡の稽古にも共通します
結果 まずまず期待通りの雰囲気でした
敦盛という少年貴公子の
容貌や出立の有様
そして
実際発した(原文からの)彼の言葉
の潔さ
これら読み解くうちに
彩りや響きを伴った光が
少しずつ一枚の紙に当てられ
最後に彷彿と敦盛の姿や景色が浮かび上がってきたのではないかと思います
また
敦盛の首を掻き切った熊谷次郎直実
彼の心理の推移を辿り
下級武士の功名心
父子愛
躊躇
混乱
悲嘆
武士の宿業と
高貴な人間性 豊かな教養を前にした敗北感
これらの心理の変化をたどりながら
人間五十年 下天のうちを比ぶれば
夢幻のごとくなり
幸若舞「敦盛」の一説に辿り着きました
いよいよ次回は
能[敦盛]の中に入っていきます
作者世阿弥が
敦盛に何を
語らせようとしたのでしょうか?
亡くなったあとの敦盛の霊魂が
登場するところから
能は始まります
次回の座学は
能の中心である謡本の中から
紐解いて参ります
お楽しみに…
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