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源氏物語 野分

taihukai2004

更新日:2023年8月6日


野分(のわき・のわけ とも ) 

 

源氏物語 桐壺の巻に


「野分たちて、にはかに肌寒き夕暮の程〜」


(野分の風が吹き、急に肌寒くなった夕暮れに〜)


「草も高くなり、野分に、いとど荒れたる心地して、月かげばかりぞ、八重葎にも障らず、差し入りたる。」


(草も伸び放題の邸内に野分の風は容赦なく吹込み、すべも無く哀れに荒れ果てた庭に唯一、月の光が静かに差し入って、亡き桐壺更衣の母君は、心の闇に閉ざされたまま〜)



桐壺更衣死後の母君の邸の様子を


源氏物語冒頭の第一帖「桐壺」では


このように描いています


野分を現代の台風と言ってしまうと

語弊を感じるのは


古語には

(そして「野分」には)


単なる現象だけでなく

母君の邸の景色も

喪失感を抱える人の心も

全て包み込む言葉のマジックがあるからではないでしょうか?


ところで


愛媛新聞 三越カルチャーでは


9月から

「座学」

をさせて頂きます


ある程度の教養を目指す方々を対象に

源氏物語 平家物語

を中心としまして


お謡本をテキストにして学びます


そこに表されている人間模様の

悲劇性や愛憎の心理を追い


また

日本の風土に古来から根付く原風景を辿りながら


現代の私たちに繋がるものを

古語

というフィルターを通すことにより

探っていきたい

と思っています


三越カルチャーにおいては

座学を講義式で行い


サテライトとして

德本能舞台にて


実技(謡と仕舞)

を初心者向けにさせて頂きます


野分→古語


そこから

敦盛 の悲劇も

六条御息所の光源氏への 屈折した思いも


物語と謡の世界を通して

辿って参りたいと思っています


良ければぜひ

どうぞ!


松山三越にてお待ち致します




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