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  • taihukai2004

三越座学 ⑴ 平敦盛

更新日:2月13日

令和五年九月開設した

三越での座学は、

先日の講義が7回目にて

本年の最後の締めくくりの時間でした。


第一回からの始めは

平家物語巻九 「敦盛最期」

を読み進めました。


16歳の美しい貴公子の悲劇が

平家物語ではどう語られたか

殺した側の熊谷直実の心理を追い

考えました。

皆様、慣れない古文や古語を紐解くのも

一苦労だったことでしょう。


次に、世阿弥作 能の詞章(脚本)である謡曲(うたい)「敦盛」を読破しました。


能における敦盛は

死した後の敦盛の霊魂が草刈り男の姿を借りて

笛の音を背景に、現世に現れるという始まりです。


死したシテ敦盛が、

出家し蓮生となったワキ熊谷に対し

この世に現れ、どう向かって行き

何を言おうとしたのか


難解な古語を

時に生(なま)の謡ををつけて挿入し

敦盛の痛切な心を聞かせながら進めました。


また時には、受講の方に、たどたどしく?

朗読して頂き

それを

現代の言葉に置き換えることもしました。


そしていよいよ

今回が敦盛最終回の座学です。


謡曲最後の場面は

平家物語の「敦盛最期」の場面と重なります。


違うのは

殺される側の敦盛が

殺した熊谷に向かっていく


思わず刀を振り上げ

「因果は巡り合いたり、敵はこれぞと討たんとするに…」


平家物語には無かった少年敦盛の心理と

行動と

それをしっかりと受け止める蓮生の姿に


世阿弥が現代の私たちに伝えようとした

]と「(うつつ)」

を重ね合わせ、テーマに近づけました。


夢の世ならば驚きて、棄つるや うつつ(現)なるらん


これは能「敦盛」の冒頭、

熊谷が世を捨て蓮生となり

初めて一の谷に敦盛の菩提を弔おうと出掛ける時の

謡の一文です。


夢=常のない世の中 無常

驚く=覚める 覚醒

うつつ=現実 真実 救い 信念


うつつ」の解釈は

宗教 神 の希薄な時代において

私の中でも難航した難解な言葉 で、伝えるのが難しかったのは事実です。


そしてそれらを踏まえた、

能の最後の場面は

全員で

能の鑑賞をして頂きました。


敦盛の舞う姿 刀と能装束の煌めき 謡の声の迫力 囃す囃子の音

それを十分に堪能して頂き、


そして最後

敦盛がこの世を去り

彼岸へと再び消えて行く姿、

橋掛り(はしがかり)を揚幕に向かって静かに歩いて行く姿まで

しっかりと目に焼き付けて頂きました。


第一回敦盛の座学

とりあえずこれで終了し、

あとは楽しみな茶話会です。


皆さんどっぷりと敦盛に浸りすぎていました。

いつ須磨の浦に行って 

敦盛の笛「小枝」(さえだ)を見、

敦盛の首塚に行くか

そのお話で

大いに盛り上がっておりました。


日帰りの小旅行ですが

学びの成果が楽しみですね。


早速企画立案下さったMMさんに感謝です。


来年の座学のテーマは

「巴」です。

美貌で剛腕の男勝りの女武者も

全力で人を愛し、命を投げ出すのです が…


さあ

平家物語の巴

世阿弥作?(諸説あり)「

一人の女性の解釈が

どのように違うのでしょうか?


来年一月六日(宇和島は十二

日)

次回の座学をお楽しみに!






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